全ての記憶を《写真》に込めて

「やほ〜、彩月 寒いね〜」
「茉莉ちゃん!いらっしゃい」
「いらっしゃいってお店みたい」
こんなことで笑い合える。

「茉莉ちゃん!あの、今日呼んだのには理由があってね…」

お兄ちゃんを通して晴くんや茉莉ちゃん、翔くんに声をかけてもらうようにした。

まずは、茉莉ちゃん。

「あのね、私がもし全部忘れてたら私の部屋のアルバム見せて欲しいの」
「アルバム…?」
部屋のアルバム。
たくさんの思い出が詰まったアルバム。

どこからどこまで忘れているかわからないから。
「茉莉ちゃんたちといて楽しかったことを思い出せたらなって」
「もちろんだよ!」
「ありがとう」
「彩月のお願いだもんね!そういえばね、和久井くん、最近元気ないよ」
「え?」
「彩月がいなくて寂しいんじゃない?ひねくれたような事言わないし」
寂しい…のかな?
毎日会いに来てくれるけど。


でも_______________、



「私も、寂しい……」





学校に、行きたいな…。


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