全ての記憶を《写真》に込めて
「彩月、私もうそろそろ帰るね〜」
「うん、気をつけてね」
「今日は和久井くん先生に呼ばれてたから来れないかもしれないって言ってたから…」
「あっ、分かった」
後で、メールでもしてみよう。
晴くんも忙しいもんね。
茉莉ちゃんが出ていったあと、ベッドに寝転ぶ。
「暇だなぁ……」
体が動かない訳では無い。
でも、たまに急に眠たくなる、というか意識が飛びそうになることがある。
しかも、目覚めるのが遅くなる。
手術を決めてから一週間は経った。
その時に、2週間後に手術をすると言われた。
「あと一週間…」
今の記憶とはさよならだ。
でも、なくなるわけじゃない。
私の中で生き続ける。
そして、そのまま目を閉じる。