全ての記憶を《写真》に込めて


まっすぐと見つめられる。
綺麗な瞳はすべてを包むかのように優しくて。

「え、」

ただ呆然とするしかなかった。

「ごめ、」

「謝らなくていいけどぉ」
しょうがない事だからねぇ、と頭を撫でられる。


そんなに大事な人忘れちゃうなんて。

なんて馬鹿なことしているんだろう。









その日の夕方。

またお客さんが来た。

やっぱりそれは知らない人で。


「彩月!やっほ〜、って言ってもわかんないか 私は桜庭 茉莉 よろしくね」
「俺は間宮 翔 彩月ちゃんの友達だよ」

晴くんの友達なのかな。

今晴くんはどこかに行っちゃってて私一人じゃどうしたらいいのか。

「えっと、はじめまして…」

「はじめまして!よし、まずは…」

女の人が大きなカバンから何かを取り出そうとしたところで扉が開いた。

「あ、翔じゃん」
「晴どこにいってたんだよ」

「は、晴くん」

救世主のようだった。


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