全ての記憶を《写真》に込めて

「晴くん!行きましょう!」
茉莉ちゃん達は椅子の確保に出ていってしまったから。

「はいはい、あんまり急ぐとまた体壊すよぉ」
「大丈夫です!」

手を引いて急ぐ。

………ん?

手を、引く…?


「あっ!ご、ごめんなさい!」
急いで手を離す。
無意識だ。
これは大きな誤解だ。
「あ、離しちゃうのぉ」
せっかく繋いでたのに、と残念そうにする晴くん。

「す、少しなら繋ぎましょう…」

そんな残念そうな顔見れない。
申し訳なくなる。

「じゃ、行くよぉ」
「えっ、晴くん!」
「なぁに、まだなんかある?」
「こ、こっ、恋人繋ぎですよね!?」
「だって付き合ってるし」

筋は通っているけど…。

「じゃあさっさと行くよぉ」

嬉しそうな晴くんを見ていると拒めない。

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