全ての記憶を《写真》に込めて

「お〜、二人ともラブラブじゃねぇの」
「私たちお邪魔だったかな」
「なっ、みんなで一緒にみたいです!」
だから、邪魔じゃない。

未だに晴くんは恋人繋ぎのまま。

色々な人にられるのが恥ずかしい。
注目を浴びている。

「人、多いですね」
「有名らしいからね、演奏する人」
「あと、その曲作った人が世界的に活躍してるらしいしな」
「そんなすごい人……」
緊張してきた、かも。





すると、私の隣を前に病室であった女性が通った。
「あ、前の…」
「貴方も見に来てくれたんですね」
「そうなんです!」
貴方も見に来たんですか?
そう聞こうとしたら茉莉ちゃんが大声を出した。

「えっ、嘘!彩月、この人と知り合い?」
「え、前にあっただけですよ?」
「この人が今日のコンサートで演奏する人だよ!」
「えぇ!?」

そ、そんな人と私普通に……っ。


「楽しんでいってくださいね」

「はい!」

見た目は私と同じくらいなのに。
世界で注目を浴びている人なんだ…。



そして、部屋の明かりが落ちていき、演奏が始まった。
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