全ての記憶を《写真》に込めて
「凄かったね、あの人〜」
「私たちと同じくらいの年ですよね?」
「たしかひとつ上だった気がするぜ」
「まぁ、世の中色々な人がいるしねぇ」
病室に戻って和気あいあいと話す。
もう言葉に言い表せないくらいすごかった。
一音一音が心にしみる感じ。
「あっ、明後日には退院できるみたいなんです!」
「えっ、本当に!?」
「じゃあ、クラスのみんなにも報告だな」
「翔は違うクラスでしょ」
みんなと一緒に登校できる。
晴くんが言ってくれた“もう一度”。
クラスの子とももう一度仲良くなりたいな。
「あ、翔」
「お?」
「俺モデルやるから」
「へぇ、そうなっ……はぁあ!?」
「彩月と一緒にね」
「ちょ、え!」
「だからもうそろそろ瀬凛が来るから」
瀬凛、さん…?
誰だろう。
_______________コンコンッ。
「あ、来た」
「失礼します」
「失礼するよ」
入ってきたのは一組の男女。
「久しぶりだね、彩月ちゃんって覚えてないんだよね」
「え、えっと…」
「私は水城 真依 元々モデルやってて瀬凛って名前でやってたの」
改めて宜しくね、と手を差し出される。
優しい人だ。
「御園 彩月です、よろしくお願いします!」
「ほら、千紘くんもあいさつして」
「分かってるよ 秋山 千紘 よろしくね、御園さん」
「よろしくお願いします!」
「というわけで、凛桜くん 話聞かせてもらえる?」