全ての記憶を《写真》に込めて
「あ、お久しぶりです」
「おっひさー」
「彩月、この人一応ここの代表の結城さん」
「一応ってなんなのさ」
あんなにお世話してやったのに、と晴くんの頬をつねる。
「御園 彩月です、よろしくお願いします」
「うんうん、可愛いね」
そう言って頭を撫でられる。
が、急に手を引っ込めた。
「御園さんの彼氏は怖いね」
「彩月に容易に触れないでよ」
「分かってるね」
だからそんなに怒らないでよ、と。
「凛桜くん、嫉妬深いと嫌われるよ」
「あんたの彼氏ほどじゃないから」
「はいはい、そこまでにしてね」
高林さんが止めに入った。
「そうだ、凛桜くんの彼女さんも一緒に写る?」
雑誌に乗りたくなかったら個人的にあげるからさ、と問われる。
「わ、私は可愛くないし、真依さんの方が…」
「千紘くんに怒られちゃうよ、彩月ちゃん行っておいで」
「え、でも」
こんな綺麗な人ばかりなのに、私なんかがいていいのかすら不安なのに、写っちゃてもいいのかな…。
「なぁに、彩月は俺と一緒にやりたくないわけ?」
「そ、そんなわけでは…っ」
「じゃあ決定ね」