全ての記憶を《写真》に込めて
ポカン、と手を止める結城さんと、笑い出す真依さん。
「本当に好きだね、凛桜くんのこと」
「凛桜くんが溺愛する理由もわかったかもね」
「あとさっきから気になってるんだけどね…」
そういい、結城さんが手に持っていたものを置き、立ち上がる。
「凛桜くん、ちょっとこっち来て」
すると、奥の方でえぇ〜、と不満そうな声が聞こえた。
そしてゆっくりこちらに来る晴くん。
「えっと……、どうしたんですか?」
真依さんにこっそり聞いてみる。
「ふふっ、彩月ちゃんのことが心配て集中してなかったみたいなの」
「なぁに、別にしょうがないじゃん」
「凛桜くんが彩月ちゃんの事を好きなのは別にいいね、でも視線こっちに送りすぎだね」
「はぁ!?そこまで見てないからぁ」
「いくらなんでも見すぎだね、まぁこっちもちょうど終わったから連れてってもいいよ」
え、終わったの!?
初めて鏡を見る。
「え、これ…」
「すごいナチュラルでしょ、もっと褒めてもいいね」
「こんなふうに変われるんだ…」
「彩月、行こ」
晴くんに手を差し出される。
「はい!」