全ての記憶を《写真》に込めて
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抱きしめたその体は小刻みに震えている。
あぁなんでこんなに小さいのかなぁ。
守ってあげなくちゃいけないじゃん。
「彩月、俺は前の彩月がよかったとは思わないよ」
「え、」
なんで、とでも言いたそうな表情。
「当たり前じゃん、だって彩月はどんな風になっても優しいでしょ」
俺は彩月の優しさに惹かれた。
そこからどんな行動でも愛しく感じてしまう。
「でも、私は、晴くんのこと……っ」
忘れてしまった?
何も知らない?
どっちでもいいよ、そんなの。
「約束したって言ったでしょ、もう一回思い出作るって」
俺は絶対に約束は守るよ。
「なんで……っ、こんなに優しいの…っ」
「なんでって………」
そりゃあねぇ。
「彩月のことが好きだからに決まってるでしょ」
優しいとかじゃない。
これは当たり前のこと。
好きな人は守りたい気持ちあるでしょ。
「これからも俺のそばに居てくれる?」
涙を流しながら、何度も何度も頷く彩月。