全ての記憶を《写真》に込めて
「は、晴くん……っ」
「彩月さ、高いところ苦手なのに観覧車乗ったのぉ?」
「の、乗れるかと思ったんです…」
高すぎる。
あと、
「晴くんと、一緒にいたかったから…」
手術が失敗したら死ぬかもしれない。
「こんなことしなくても一緒にいてあげるのにさぁ」
おいで、と向かい合っていた晴くんが隣の席をたたく。
恐る恐る近づくと…。
_______________ガタンッ。
「きゃっ、」
「うわっ」
怖い怖い怖い。
揺れたよ。
大丈夫かな、この観覧車。
「二人きりだと大胆だねぇ」
「えっ、あっ……ご、ごめんなさ、」
「いいよ、別に」
思いっきり晴くんに掴んでいた。
いや、掴んでいたというよりも抱きつくような感じだ。
「そんなに怖い?」
「そ、そんなに怖くないです!」
「いや、震えてるけどぉ」
こんなに高いところまで行くなんて知らなかった。
「彩月、こっち向いて」
「なんです、んっ………えっ、」
「怖いならさ、俺だけ見とけばいいんじゃない?」
名案、とでも言いたそうな誇らしげな顔。
顔に熱が集まってしまう。