全ての記憶を《写真》に込めて

「これから授業をはじめます」
お願いします、と私も声の一員になって。

あの後、晴くんが卵焼きを食べてくれたり茉莉ちゃんがおかずを小さく分けてくれたおかげでなんとか間に合った。翔くんは移動教室だったから先に行ってもらった。晴くんには悪いことしちゃったかもしれないなぁ。
そんなに食べれないって言ってたのに、食べさせちゃって。


私は一番窓側の後ろから二番目。その後ろの一人席に晴くんがいるのだ。そして、私の隣の席は保健委員の優璃ちゃん。私に何かあった時のため、と先生が気を遣ってくれたらしい。

だけど、今日は優璃ちゃんが休み。隣がいないとなんか寂しい。
「御国ー、ここの問題を解いてみろ」
「は、はい!」
最近はちゃんと授業に出るようにしてたから当てられることも多くなった。
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