全ての記憶を《写真》に込めて
席につく。まだ小さい咳が収まらない。
粉、吸いすぎたのかなぁ。
すると、髪が後ろに引かれる感覚。
後ろを振り向こうとするが、
「後ろ向かないで」
「えっ、は、晴くん?」
「粉がついてて気になる」
粉を払ってくれてるのかな。優しいなぁ。
うぅ、晴くんが私の前の席だったらいつも写真撮ってたのに…。
でも、粉とってもらったら…、
「ちょっ、動かないでよねぇ」
私は頭をぶんぶん振る。
「だ、だって晴くんの手が汚れちゃうよ!」
「気になって集中出来ないんだって!」
「あ……、なるほど」
「そこー、静かにしろよー」
明智先生に注意を受ける。
「すみません」
「ご、ごめんなさい」