全ての記憶を《写真》に込めて
「…で、彩月は和久井くんに粉を取ってもらったってわけか…びっくりしたもん、彩月が注意受けるなんて」
「だって、晴くんの手が汚れちゃいそうだったから」
全くねぇ、と茉莉ちゃんが呟いたかと思うと頭をわしゃわしゃと撫でられた。
「髪がボサボサになっちゃうよ」
「いいのっ、私が直してあげるから」
そう言って撫で続ける。
「俺も撫でていーい?」
後ろを振り返る。
そこには々
「しょ、翔くん!?なんでここに、」
「暇だったから〜 俺も彩月ちゃんの頭撫でたいな〜」
「彩月の髪の毛フワフワしてるよ、真宮くんにオススメ」
「え!?な、何言ってるの茉莉ちゃん あ、私なんかでよければ全然いいよ…?」
頭を差し出すが、一向に触れられる気配はない。
上を見上げると、
「ねぇ、」
「は、はは晴くん!?」
「晴じゃん なんで俺の手…って痛っ」
ギリギリという音が出そうなくらい強く翔くんの手首を掴んでいる晴くん。