全ての記憶を《写真》に込めて
「あんたさぁ、翔にだけは近づかない方がいいからねぇ」
さすが元モデルと思わせるような完璧な笑顔。だけど、目が笑ってない。
「えっ、どういうこと?」
「翔は女とっかえひっかえしてるってこと」
「人聞き悪いなぁ、俺は女の子一途だから」
「意味は一緒でしょ」
それを見て茉莉ちゃんが声を上げて笑った。

「和久井くん、嫉妬?」






「はあっ!?違うけど!」





いつもとは違った声を荒らげた晴くん。
「なるほど、晴は彩月ちゃんが触られるのが嫌なんだな」
「え、え、茉莉ちゃん?」
「彩月が可愛いのがしかたないよね」
急に茉莉ちゃんに抱きしめられる。
「あ、ありがとう…?でも、茉莉ちゃんの方が可愛い!」
よくわからないけど茉莉ちゃんを抱きしめ返す。茉莉ちゃんからは女の子らしいいい匂いがする。
「茉莉ちゃんの女子力欲しいよ〜」
「彩月の可愛さくれるならいくらでもあげる〜」

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