全ての記憶を《写真》に込めて



「で、結局応援してんじゃん」
「うるっさいなぁ」
晴くんが翔くんを睨みながらいう。だけど、応援してくれたのは事実だし、やっぱり嬉しい。
「晴くんは優しいんだね」
「は?優しくないし」
「あぅっ」
馬鹿じゃないの、とデコピンをされる。
い、痛い。晴くんはそんな私を見てフッと笑った。カメラに手を伸ばそうとする……けど、
「彩月は体育の時の記録を撮るんでしょ?もちろん和久井くんも」
「…っうん!」
茉莉ちゃんに声をかけられて反射的に手を引っ込める。
いま私達は次が移動教室のため移動している。

次は体育だから隣のクラスと合同。と、言うことで私と茉莉ちゃん、晴くん、翔くんと一緒だ。
私は参加出来ないからクラスの状況を撮ってもいいし、景色をとってもいい。と、許可出された。だから、私はクラスの状況ということで晴くんを撮る。

「なんで、彩月ちゃんは体育に出ないの?」
「えっ、」
翔くんからの急な質問。
「なんて言うか…、体が弱いわけじゃないんだけど、家族に止められてるの」

「へぇ〜、いつか一緒に体育出来るといいな」
「うん!」
すると、後ろに引っ張られる。
「彩月と一番はじめに体育するのは私だからね〜」
頬を膨らませた茉莉ちゃん。
「茉莉ちゃん可愛い〜」



「そうだね、みんなと遊びたいなぁ」

これは私の願い事。
< 34 / 255 >

この作品をシェア

pagetop