全ての記憶を《写真》に込めて
私を助けてくれた人が、笑った。




「そ、その顔っ、写真撮ってもいいですか!」




風景しかとったことのない私が、心からそう思った。
その笑顔が、輝いて見えた。

_______________その笑顔に私は一目惚れした。


だけど、その人からの返事は、

「え、嫌だけど」

やっぱり断られた…。軽くショック。
惚れたと言っても写真に収めたい方の惚れたなのに。

「俺ねぇ、写真嫌いなんだよね」
「そ、そうなんですか?」
「笑わないといけないからね」
「そうですか………」
私は写真、好きだな。忘れたくないものを取っておけるから。なんて、言えないような感情なんて一切見えない瞳。

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