全ての記憶を《写真》に込めて

「うわぁ!すごい景色!」
「騒ぐと先生にバレるよぉ」
屋上からの景色は凄かった。秋に近づいているから緑の中にところどころ垢が混じっている山。澄んだ空。
少し肌寒いけど、いい眺めだ。沢山シャッターをきる。
「晴くんはこれを見たかったの?」
「別にぃ、話は別であるし」
「えっ、そうなの?」
「はぁ、お礼したいって言ったでしょ それを考えたの」
「あ、そっか!何がいい?なんでも言ってね」
お礼はしっかりしないとダメだって教えてもらってるから。


「これから俺のお願い聞いてねぇ、一週間」


「え?全部?」
「もちろん、だってお礼してくれるんでしょ」
「う、うん お礼だもんね、分かった!できる限りお願い聞くよ!」
一週間だけだもんね。きっと大丈夫。あ、でも、写真撮ったらダメって言われたら……。

「写真は今まで通り撮ってもいいよぉ でも、俺もアンタのこと撮るかもねぇ」
「わ、私を!?」
だめだよ!私ブスだし!と、言うとこれはお願いだからねぇ、と言われる。

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