全ての記憶を《写真》に込めて

「はぁ………、疲れたんだけどぉ」
「走ったからかな? 晴くんは運動できるの?」
「できないように見えるわけぇ?出来るに決まってるじゃん」
「そっかぁ」
運動できるって羨ましいなぁ。私は運動してないから体力も技術力もない。足引っ張るだけなんだけどね。
「でも、部活には参加してないから人並みだよねぇ」
「え、晴くん部活に入ってないの?」
「入ってないけどぉ、仕事あるし」
「し、仕事!? 大人だね〜」
「ま、もう辞めたけどねぇ」
それはきっとモデルのことだろう。まぁ、晴くんは誰が見てもかっこいいしね。

「はぁ…、何をしてるのかなぁ」
「え、写真撮りたいなって…」
外の景色をバックに晴くんをフィルターに入れる。
「撮っていいなんて言ってないよねぇ」
「えへへ、でも綺麗だよ」
「どうせ見た目だけでしょ」
「えっと、そうじゃなくて…、」
晴くんの容姿もそうだけど、私から見た晴くんの内面も綺麗だと思う。

「晴くんとの思い出だよ」


「…っ、へぇ まぁ、別にいいけど でも、笑わないから」
また今度笑わせてみてよねぇ、と不敵に笑っている晴くん。
< 45 / 255 >

この作品をシェア

pagetop