全ての記憶を《写真》に込めて
「あのさぁ」
「勝手に撮るって常識がなってないんじゃないの」
「俺付きまとわれて迷惑なんだよねぇ」
「俺だって、自分の時間が欲しいんだけど」
「ファンだったならさぁ、俺の気持ちくらいわかるよね」
晴くんがどんどん言葉を並べる。その言葉に、迫力にカメラをしまったり、道を開けていったり。
「あと、俺だけならまだしも、この子は一般人だよぉ」
_______________一般人を勝手に撮るのはダメだと思うけどなぁ。
その言葉でみんなが道を開ける。
「はいはい、ありがとねぇ」
きっと、このために晴くんに使われたのだろう。
「あ、あと言い忘れてたけど」
_______________この子とこれから帰るからさ、付きまとわないでよ。
「え、じゃ、じゃあ……」
「そう、俺の彼女♪」
周りの女子からの悲鳴。
「ほら、行くよぉ」
意地悪そうにこっちを見る。そして、私は何も言えずに晴くんに手を引かれて走る。
「は、晴くん!?」
誰にも付けられてないことを確認して近くの公園で止まる。