全ての記憶を《写真》に込めて

「茉莉ちゃん!凄かったね!最後かっこよかったよ!」
「そんなに褒められると照れるなぁ〜」
茉莉ちゃんの最後のスパイクで、バレーは二組が勝った。

「彩月ちゃん、慰めて〜」
「こいつの事は無視していいからねぇ」
バスケの方も二組が勝った。翔くんはさっきからしょんぼりしている。きっと、仲良しの晴くんに負けて悔しいのだろう。
「翔くん、ちょっとしゃがんで」
「ん?なになに〜」
「よしよし、頑張ったね」
「えっ、めっちゃ嬉しい やっぱ女の子優しい」
頭を撫でると機嫌が良くなる翔くん。髪の毛ふわふわだ。金色の髪が指の間を通る。

「彩月!真宮くんだけじゃなくて私も撫でて」
「うん、よしよし」
茉莉ちゃんは髪を縛っているからボサボサにならないように気をつけて撫でる。綺麗な黒髪。私は焦げ茶。だから、黒髪が羨ましい。
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