全ての記憶を《写真》に込めて
「彩月、言っとくけど、私嬉しすぎて泣きそうだよ」
「私も茉莉ちゃんと同じで嬉しい」
縛ってもらったけど、すごく首元がスースーする。
「おー、可愛いじゃん 彩月ちゃん」
「へぇ、結構涼しくなったんじゃない」
「でしょ!彩月可愛いでしょ!」
「うん、女の子はみんな可愛いけど、ポニーテールっていいよな」
「彩月がやるのとまたいいのよ」
「茉莉ちゃん、そんなに褒めても何も出てこないよ?」
「事実だから」
そう言って親指を立てる茉莉ちゃん。
首元が涼しくなった。うん、これはいい。
その場でくるくる回ってみる。
「うわぁ!尻尾みたい!」
今まで顔にかかっていた髪がなくなってすごく見晴らしがいいまま回れる。
「ねぇ、何馬鹿なことしてんの」
「えっ、うわぁっ!」
「ちょっ、何ひとりでつまずいてるわけ しっかりしてよねぇ」
転びそうになったところを晴くんに支えてもらった。
「ごめん、つい嬉しくて」