全ての記憶を《写真》に込めて
「晴くんは、いつも自分で服選んでるの?」
「当たり前でしょ」
帰り道。約束したとおり一緒に帰る。昨日に比べ、周りに群がる人の数は少ない。だけど、いなくなった訳では無い。
「そういえばさ、あんたの家ってどこ」
「え?私?」
「あんた以外に誰がいるの 一緒に帰ってるのに送っていかないのは男としてダメでしょ」
「そういうものなの?」
「ま、嫌だったらいいんだけどねぇ 近くまで送るし」
「送ってもらうの申し訳ないし、近くまででいいよ ありがとね」
分かった、と頷いてから晴くんは紙に何かを書いてから私に渡した。
「これ、帰ってから絶対すること」
「…これ?」
•知らない人からの服を受け取らないように親に話すこと
•なるべくもらった服をは処分していくこと
•何かあったら親に相談すること
•言い難いことは………、
「言い難いことがあったら俺に言いなよぉ」
なんだったら、翔でもあいつ、桜庭にでもいいからさ、と。
「うん、ありがとう!」
そして、別れる。空はもう赤く染まっていて、晴くんと別れてから少し空を撮った。
「お母さんは元気にしてるかなぁ」