全ての記憶を《写真》に込めて
お出かけ先での困難
「あっ、茉莉ちゃん!」
「さ、彩月!?」
昨日言ったように今日はお出かけ。だから、お母さんに作ってもらった服を頑張って選んできた。
「似合わない、かな…」
自分で合わせるのは慣れてないし、普段ワンピースばかりだから。しかも、恥ずかしいけどスカートも、履いてみた。昨日みたいにポニーテールもして。もちろん、カメラは首にかけてある。
「そんなことないよ!可愛すぎだよ!」
「そう?良かったぁ、茉莉ちゃん絶対かわいいから横にいてもおかしくないようにしないとって」
「逆に私が横にいてもいいのか」
「茉莉ちゃん、今日は楽しもうね!」
「もちろん!」
「俺たち忘れてない〜?」
「わざわざ来てやったのに存在忘れないでよねぇ」
後ろに立っていたのは晴くんと翔くん。
「うわぁっ!二人ともかっこいいね!」
「和久井くんは元モデル、真宮くんは……元々顔だけはいいし、何この美形ぞろい」
「俺顔だけなの!?」
「どうでもいいからさっさと行くよ、人が集まってきたからねぇ」
そう言われて周りを見渡す。
「何あそこの美形」
「え、凛桜様いるじゃん」
「まさか、流石にここにはいないでしょ」
「あの子かわいい」
「ほら、声かけろよ」
「いや!周りのヤツらに勝てる気がしねぇよ」
「晴くんは人気者だね!」
「いいからさっさと行く」
晴くんに背中を押されて歩く。