全ての記憶を《写真》に込めて
「なに、これ…………なんで、家の中にあるの…………?」
え、私って玄関の鍵閉めて出たよね?
「しかも、え………これ私の写真……」
優美さんの車に乗る瞬間から、家の前にたっている時。それだけならまだしも、今日のお出かけ先の写真。
「嫌………」
怖くなって玄関の鍵を閉めて、部屋に行く。もちろん、花束と写真を持って。
「なんで、」
待って、頭が追いつかない。
こんな花束要らない、写真も…。
_______________ピーンポーン。
「…っ!」
「すみませーん、郵便でーす!」
いつもの宅配便の人だ。
ゆっくりと玄関に行く。
また、あの知らない人からの…………?
「……あっ、すみません 大声出してしまって これ、いつもと違う方からの届け物です」
「え、違う人?」
紙を見ると、《御国 雪乃》と記されている。
「あ、お母さん……… いつもありがとうございます」
「いえ、では自分これで」
お母さんの名前を見て安心した。
ダンボールを開くときっとお母さんの手作りであろう服。
「……うぅっ」
お母さんがそばにいる気がする。
「………よし!お母さん達に迷惑かけるわけには行かないよね!」
まだ怖いけど…、大丈夫、これ以上くよくよしていられないよね。