全ての記憶を《写真》に込めて

「ほどよく甘いからねぇ」
「晴は甘党だもんなー」
「彩月の卵焼き甘いの?」
甘いのかな?でも、私も甘党だし。


「ていうか、あの晴が他人の食べ物を口に入れるとはな〜 晴って特に女子から貰ったものは受け取らない主義っていうかさ」
「へぇー、和久井くんって潔癖なの?」
「は、晴くん 私のなんか食べても大丈夫だったの!?」
私なんかのものを食べてお腹壊しちゃったりしたら………。

「晴くん!大丈夫?お腹痛くない?」
「急になんなの?馬鹿なのぉ?」
「だ、だって、今日急いで作ったし…」
「別にいいけどねぇ………」


そして、時間になったから教室へ戻る。
すると、晴くんに手を引かれた。茉莉ちゃんと翔くんは先に行ってしまう。



「どうしたの?」
「ねぇ、卵焼き俺にも作ってきて」
「えっ、」
「これは、命令だからねぇ」
ほら、前に約束したでしょ?と言う晴くん。その通りだ。でも、そんなことでいいのかな。

「うん、いくらでも作ってあげるよ!」


お母さんが教えてくれた卵焼きが好かれるのは凄く嬉しい。


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