全ての記憶を《写真》に込めて
「カメラが壊れちゃったのかな?」
よく覚えてないな……。なんだっけ?
なにか理由があった気がするけど…。
「あっ、お菓子持ってくるね!せっかく来てくれたし」
「別にいいけどぉ」
「ううん、ちゃんとおもてなししなさいってお母さんに言われてるの」
何も出さないのは流石にまずいよね。あと、初めてのお客さんだし。
「ちょっと待っててね〜」
キッチンへ向かう。いや、向かおうとした。
「えっ…………、嫌っ、何これっ……!」
玄関にあるはずのないものが置いてある。
「いや、嫌ぁぁぁあ!!」
「どうしたの!?」
茉莉ちゃんが駆け寄ってきてくれる。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
死なせてしまってごめんなさい。
玄関に置かれていたのは鳥の死骸。