全ての記憶を《写真》に込めて
やっぱりみんなは優しいな。
カメラを抱きしめる。
「ねぇ、彩月 前から気になってたけど、そのカメラってそんなに大事なの?」
「えっ、これ?」
茉莉ちゃんが不思議そうに眺めているのはいつも私が持っているカメラだ。
「うん、これはねお兄ちゃんから貰ったの」
「へぇ、そのお兄さんも海外?」
「うーん、多分そんな感じだと思うよ 働いてくるって言ったきり、連絡が取れなくなっちゃって…」
「な、なんかすごいお兄さんだね……」
_______________よし、じゃあ、さっさと準備するよぉ。
そう言って晴くんは私の頭を撫でる。
晴くんって、頭なでるの好きなのかな?
「えっ、なんの準備?」
「もう遅いでしょ、だから俺が夕飯作ってあげる あと、また変なものが置いてあったらあんた一人で寝れないんじゃない?」
見下すように笑う晴くん。
「ね、寝れるよ!」
「どうだかなぁ」
「まぁ、晴何気に料理うまいし、作ってもらえって 晴、俺の分も」
「私のも〜」
「はいはい、簡単なものしか作らないけどねぇ」
キッチン借りるよ、と言って部屋を出ていく晴くん。
は、晴くんって行動力あるよね。