愛されたいのはお互い様で…。
・癖になってはイケナイ
務が本当に留守だったのなら、私が部屋に行った事は知らない。
【さっき、居るかなと思って部屋に行って見たけど、まだ帰ってなかったみたい、留守だった】
こんな惚けた話…、女性の声が私に聞こえて無かったならいいかって思って、普通に返して来るものだろうか。部屋であれ、外であれ、務が一人じゃ無かった事は確かだから。
ブー、…。返して来るなんて…。
【部屋、行ったのか。まだ帰って無かったから、ごめん、悪かったな】
…だから。
【会わない?都合悪い?】
【いや、大丈夫だ。どこで会う?】
へえ、会えるんだ。
【外にする?それとも、うちか、務の部屋かにする?】
自分の部屋は避けたいところよね?
【んー、紫、昼ご飯は?】
まだだった。
【まだ、食べてない】
【じゃあ、何か買って帰るから、30分後くらいに、俺の部屋に来れる?】
…うっそ、務の部屋に、…。ふぅ。
【解った。じゃあ、そのくらい後に着くように行く】
【じゃあ、待ってるから】
【うん、後でね】
…どういう心理状態なんだろう。さっぱり解らない。こうも平然と普通にしていられるもの?あー…もう、何もかも、単刀直入によ。全部聞かなきゃ、その上で判断しなきゃ訳が解らない。
本当に今まで連絡をし合っていたのは務よね?務がもう一人居たら、何だか説明がつきそうな気がする。
いい時の務は私の知っている務で、よく解らない務は知らない務で…。
そんな事、現実にある訳が無い…。どの務も、全部私の知っていて知らない部分のある一人の務よ。
ピンポン。
え?