手を心を
初恋のはじまり
東高校にこの春俺と双子の兄、朝來(あさき)は進学した。志望理由はいかにもクズが言いそうな「地元で偏差値も低い場所で高卒資格を取りたかった」から。兄は別に何か目的があったらしいが、俺には何も目的が無かった。とりあえず、俺自身は卒業して
それまでに進路決めて、という形になればいいなぁと思っているゆるゆる男だ。このうららかな春の日も、俺と部活動が休みらしい朝來とともに下校していた。
「ねえねえ、真昼」
俺よりも重いザックを背負った朝來が話しかけて来た。
「なに」
次第に暖かくなってきた午後3時過ぎ。校則ギリギリまで伸ばした黒髪が日焼けして暑い。
それまでに進路決めて、という形になればいいなぁと思っているゆるゆる男だ。このうららかな春の日も、俺と部活動が休みらしい朝來とともに下校していた。
「ねえねえ、真昼」
俺よりも重いザックを背負った朝來が話しかけて来た。
「なに」
次第に暖かくなってきた午後3時過ぎ。校則ギリギリまで伸ばした黒髪が日焼けして暑い。