MOON WOLF
その親子はそのうち、曲がり角を曲がって私の視界からはいなくなってしまった。

裸足だからかな

視線が痛いや

そんな呑気なことを考えていると

グイッ

「お前、何してる」

その低いハスキーでどこかドスの聞いた声が聞こえるのと同時に、二の腕を引っ張られた。

やばい!警察かな?!歩道だ!!

私は咄嗟に

「ごめんなさい!今帰ります!」

と、合掌して目をつぶり言い逃れようとした。

しかし、予想していた返答じゃなかった。

「あ?何言ってんだよ」

「へっ??」

驚いて、恐る恐る目を開けてみることにした。

そこには、銀髪の背が高く、切れ長の目をしたとてもカッコイイピアスを一つつけた男の人がいた。

私はそのかっこよさに空いた口が閉じなかった。
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