MOON WOLF
車が止まると早々と運転手さんが出ていって、ぐるりと回って銀髪さん側のドアを開けた。

銀髪さんは無言で車から降りた。

ほんと偉そうな人だなぁ。

なんて思ってじっと見ていると、あちらからもじーっと見られていた。

「なにしてる?早く出ろ。」

「…」

言われた通り出てきましたけど、命令口調がすごく気になる。この人の親はどんな教育をしてきたんだよ!

優結がどんなけ賢い子かほんとに思い知らされるわ!

我ながら姉バカだよなー。

そんなこんなでぼーっとしていたら、目の前の二階建てらしき大きなそうこのような所に腕を引かれながら入ろうとしていた。

「あの…ここどこですか?」

「倉庫だ」

「あの…帰っていいですか?」

「だめだ」

なんてやつだ。

勝手にこんなとこ連れてきやがって!

まあ、のこのこだまってついてくる方もついてくる方ですけどね??

でもこの人めっちゃオーラが怖くて逆らえないんだよなあ…

そして私達は倉庫に入った。

すると、目の前にはガラの悪い男の人たちがわんさかいて、

まあ、見渡す限りカラフル頭でいっぱいって感じ。

そしていきなり

「お疲れ様っす!!」

礼儀も知らなそうな不良達がこの銀髪さんにむかってお辞儀をして声を揃えて挨拶をした。

「?!」

当然私はびっくりして固まった。

「おう。」

銀髪さんはその人達に返事をして、相変わらず私の腕を持ったまま奥にある鉄の階段を

コツコツ

と、音を立てながら登っていくのであった。
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