…好きか?

ゼンが向かった先は
トイレではなく、保健室―――



「え、ゼン…?」



ソファに腰掛け
薬を飲もうとした副会長が
ゼンの登場に驚いた表情を浮かべた。



「LINE来てたから。
 …大丈夫か?」


「うん、平気よ。
ちょっとだけ具合悪くなっちゃって。
 『早退するね』って送ったのに
わざわざ来てくれたんだね。
ありがとう…嬉しい」



青白い顔しながらも
力弱くゼンに笑顔を作ってみせた。



「まだ顔色悪いな…
送っていこうか?」


「ううん…大丈夫。
 …ゼン、あの、ね?」



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