…好きか?

数時間して教室に戻ってきたゼンは
特に何も変わらない様子で
授業を受けていた。


もちろんゼンが副会長さんから
そんな話を聞かされていたなんて
想像すらしていないアタシは
何も知るはずがない。


それを本人から聞かされるまでは―――



「朝比奈―
 今日も助っ人しねぇのかー?」


「用事あるからねー
 悪いね」



今日もヤツらの依頼を断り
アタシは帰宅部らしく
まっすぐ帰ろうと校門に向かうと…



「…ゼン?」



腕を組み壁に寄り掛かるゼンの姿があった。






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