…好きか?

沈みゆく夕日を眺めながら
アタシは決心していた。


それをちゃんと
本人に伝えないといけない…



「…ゼン」


「…なんだ?」



いけないのに…

向き合って
こんな形で目を見て言うのは…
言いづらくなる。



「あ…のさ、アタシ…」



次の言葉を発しようとした時
一瞬、めまいに襲われ
急にグラッと視界が歪んだ。



「え…おいッ」



バランスを崩した体を
キャッチしたのも
やっぱりゼン。



「ごめん…
 ちょっと、めまいがしただけ…」



そう言って体勢を直した。
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