…好きか?

「何してくれてんの?」



唇を噛み切るつもりでいたのに
突然現れた謎の声に止められた。


やっと本物のヒーローが現れたか?


・・・って言いたかったけど。



「なんだお前か。
 驚かせんな」



現れたヤツは
ヒーローどころか
アタシの嫌いな迷惑男。


重ね重ね運が悪すぎ。



「イチカちゃんは俺のだって
 知ってるはずだよなぁ?」


「そうだったな。
 悪いな、返すよ」



今にも襲い掛かろうかとしていた男達は
出現した野郎によって
素直に手を放してくれた。


助かったように思えるが
そんなワケがない。



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