…好きか?
10.告げる、花火
夏休みの間
平岡さんに心の傷が残らないかが
唯一、心配だった。
トラウマにならないといいな…
何度か連絡を入れたけど
心配させないようにしているのか
『大丈夫』だと言って
不安を口にする事はなかった。
そして。
アタシと会長さんだけど―――
「あんな時に
何してくれてんだよ…会長さん」
ベッドに横になりながら
海であった出来事が頭を過って
枕に顔を埋めた。
人が弱っている時にするなんて
卑怯なヤツだ…
「アタシも
どうして受け入れたんだよ…」
もうずっと
自問自答が続いている。