…好きか?
予想していた通り
ゼンと副会長も
花火大会に来ていた―――
「わぁ…キレイね…」
ピンクの浴衣と
普段は降ろしている髪をアップにまとめ
幸せそうな表情で花火を見上げる副会長。
その隣で
無言で空を見つめるゼン。
それは
何か考え事をしているようにも思えた。
「何かあったの?ゼン」
もちろん彼女だって
それに気付く。
「あ、いや。
…なんでもない」
「そんな感じには見えないよ?
どうしたの…?」
再度聞かれるも
ゼンは何も答えようとせず
黙って空を見上げていた。