…好きか?
「仕方なかったッ!
彼女達が悪いワケじゃないのよ!?」
「嘘をついて
イチカを悪者にする事の
何が仕方なかった?」
「それはッ。
けれどそんな事で
なぜゼンがそこまで怒るの!?」
「“そんな事”…?
嘘をついて、人を傷付ける事がか?
友達なら、違う方法があるはずだ」
ゼンの脳裏に浮かんだのは
海でボロボロになりながら
友達を守って涙を流した女の
あの出来事――
「階段から落ちた真実は
イチカはたぶん
誰にも話してない」
「え…」
「アイツは
そんな事しない」