…好きか?
「噂を耳にしたけど…
本当にコウヤくんと付き合っているの?」
あー…よりによってそれか。
この人にはその話題について
あんまり触れてほしくないんだけどなぁ…。
「ま、まぁ…一応」
我ながら曖昧な返事しか出てこない…。
「…そう。
それならもう…
ゼンを諦めたのね」
副会長さんは
読んでいた本を閉じて机に置くと
窓の外に視線を移し
まるで物思いにふけた様子で
空を見上げていた。
「…どうしたんですか?」
声を掛けないワケには
いかない気がした。