…好きか?

アタシの問いに
空を見つめていた副会長さんは
ゆっくりとこちらに顔を向け
一言だけ、呟いた―――



「アナタって、最低ね」


「え…」



鋭い目つきに
一瞬ゾクッと背筋が凍る。


それはあまりに
冷え切った目―――



「今さらコウヤくんと付き合って…」



止まらない
副会長さんの言葉。



「ゼンから離れようと
 彼を逃げ道にしただけなのに」



アタシはその場で固まってしまった。



「どうせたいして好きでもないのに…。
 今度はコウヤくんを傷つけるつもり?」



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