…好きか?
「それよりも
貧血は大丈夫か?」
「うん。
最近は平気。
薬も飲んでいるし」
そう言いながら副会長は
ポケットから小さなサプリケースを取り出し
ゼンにニコッと笑顔を向けた。
「あんまり無理はするなよな?」
「うん。わかってる。
心配してくれてありがとう…」
手に持っていたサプリケースに視線を戻し
ギュッと握り締めるとまた遠くを見つめた。
「ねぇ、ゼン…?」
時折、窓から入ってくるそよ風に
なびく長い髪を耳に掛けながら
副会長は問い掛けた。
「私は…アナタのモノ?」
…と。