…好きか?

アタシにしては
珍しく大好きな体育の時間に
ヘビーな考え事をしていて
集中出来ないでいた。


まぁそんな事をしていれば
ツケは回ってきて―――



「イチカ危ないッッ!!」


「・・・へ?」



目の前に飛んできた
高速回転のボールに気付かなかった。



「最悪ッ
 当たるッッ」



コレまた珍しく体が動かず
顔面直撃を覚悟して
目を閉じてしまう。



――――しかし。



パシン――


“何か”にボールが当たった音が耳に入るが
痛みを感じない。


恐る恐る目を開けてみると
目の前にいたのは―――



「…ゼン」




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