…好きか?

ほらまた
コイツにしては珍しい
優しい言葉…


こんなゼンを知っているのは
副会長さんだけなはずなのに…。



「熱、まだあるから
 少しでも眠れ。
 親もまだ帰って来ないから
 遠慮する必要ねぇし」


「あ、うん。
 ありがとう…」



ゼンの家も
両親が共働きで
帰りはいつも夜遅くだったっけ…


あまり家に来る事もなかったから
懐かしく感じる…


ゼンがいなくなった部屋で
独り、考えていると―――



~♪


アタシの携帯の着信が
鞄の中から鳴り響いた。


発信元は
“お母さん”


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