…好きか?

「あ、起きてたんだ」


「…ゼン」



どんな顔をして会ったらいいか
わからないはずなのに…

ゼンの顔を見られて
ホッとしている自分がいる…



「お前の好きなシュークリーム
 わざわざ買ってきてやったぞ」


「は?わざわざって一言余計。
 それに病人にお菓子ってダメだろ。
 まぁありがたく食べるけど…」


「文句あるなら俺が食う」


「は!?
 もらうって言いました」


「まぁそんだけ元気なら
 もう大丈夫か」



ベッドサイドの椅子に腰かけ
袋からお菓子を取り出しながら
気遣ってくれるゼン。



< 356 / 370 >

この作品をシェア

pagetop