…好きか?

――“友達”――


そう呼べるコも
数人はいるけれど。


比較的ツルむ相手は
ゼンと愉快な仲間達ばかり。



気兼ねなくいられるのは
相手が男だからか。



「ふあ~ぁ。
 屋上行って寝るかな」



両耳にイヤホンを付け
だるそうにゼンは席を立った。


今来たばっかだろ。



「何時間目に戻ってくんの?」


「昼休み~。
 購買にいる~」



ヒラヒラと気の抜けたように手を振り
チャイムが鳴る前に教室をあとにした。


この“気まぐれ自由ボーイ”は
授業に出るもサボるも
行動が読めん。

にも関わらず
学年トップなのだから
世も末だ。




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