…好きか?

「お、驚いたのは私のほうです。
 私はッ、忘れ物を取りに来ただけですッ」



明らかに何か動揺しているらしく
口調が強めだ。


それに…



「委員長…それって」



彼女の唇が仄かにピンク色をしている。
机には卓上の鏡もあるし…

たぶんきっと
化粧をしていたのではないかと推測。



「な、なんでもありませんッッ」



委員長はアタシに気付かれた事にハッとし
誤魔化すように急いで手の甲で唇を拭くと
机にあった鏡を手に取り
自身の後ろに隠してしまった。


どうやら図星らしい。


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