…好きか?
落ちていたモノは
ファンデーションやマスカラ
アイシャドウ等のメイク用品ばかり。
「…笑いたかったら
笑えばいいでしょ…」
「え…?」
床に散らばるモノを拾いながら
委員長は小さくポツリと呟いた。
「『こんなマジメだけの女が化粧するなんて
おかしい』って笑えばいい」
「委員長…?」
「『変だ』って笑ってよッ」
必死に堪えているのか涙声が混じっている。
拾う手に力も入って震えているのは
すぐにわかった。
それはまるで
見つかってほしくなかったみたいに――