…好きか?
「お母さんがくれたこんなの…」
ギュッと握っていた手を緩め
確かめるようにリップグロスを見つめる委員長。
きっと母親が娘に
“オシャレになってね”って
プレゼントしてくれたものなんだと
すぐに理解した。
だけど
今の彼女には
それが重荷らしく…
「こんなのもらっても…
私には似合わないんだッッ!!!」
突然、委員長は
手に持っていたリップグロスを
窓に外に放り投げてしまった。
「なッ…」
言葉より先に体が動き
アタシは無意識に
窓の外に飛び出していた―――