…好きか?

そんな
1番の親友だけれど―――



「~♪」



ココアを飲みながら
屋上に寝ころび鼻歌を歌うゼンの元に
1人の女子が近付く。



「ゼン?」


「ん?あー…お前か」



寝ころんだまま声のする方に視線を向け
上体を起こしながらイヤホンを取り
なんの躊躇もなく女を呼ぶ。



「おいで」



両手を広げると
女は自然に胸へと飛び込み
ゼンは女の顎に手を添え軽く引き
ゆっくりとキスを交わした―――


何度も
角度を変え
“離さない”と
言葉じゃない愛情で。



ゼンにとって
確かにそこにいる
愛を紡ぐ“彼女”




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