…好きか?
予想していた通り
ゼンは副会長に捕まっていた―――
「何怒ってんだよ」
図書室の棚から
数冊の本を無言で取り出す副会長に
すぐ隣で気怠そうに尋ねたが
彼女はそれでも沈黙を続けていた。
「おい、ミヤビ」
痺れを切らしたゼンは
背を向けている副会長の前にまわり
俯き加減の彼女の前に立ちはだかった。
「何か言いたいんだろ?」
もう1度問い詰めると
副会長はムッとしたまま
視線を合わせようとしないが
重い口を開いた。
「昨日…何してたの?
…朝比奈さんと」